「すげまほ」について
演劇人として著名な、ケラリーノ・サンドロヴィッチ(Keralino Sandorovich)氏のミュージシャンとしてのソロ作品の曲中に「もう一歩」という曲があって、その歌詞がすこぶる興味深い。そこでは「無意識的なものを意 […]
1+1は( )
息子「お父さん、おにぎりが1つあって、もう1つあるでしょ」自分「うん」息子「そして、それを混ぜて合わせたら、そのおにぎりは、2つでしょ」自分「……いや、1つだよ」息子「なんで?だってそのおにぎりは、1つのおにぎりより大き […]
需要と供給
仕事がら、文具やノート、デザイン用品には興味が尽きない。しかし同時に、ひとつの悩みがある。——なぜか、自分の琴線に触れたものに限って、廃版の憂き目に遭うことが多いのだ。 二年ほど前、ITOYA GINZAで偶然目にした「 […]
SHARPIE礼賛
油性ペンは昔から好きじゃなかった。インクの匂いがきつく、書き心地にひっかかりがあって融通がきかない。さらに書くとき、かき氷を間違った加減で噛んだときに脳内に鳴る「キュシァー」というきしみ音。つまり五感のうち三つ(嗅覚)( […]
パーセプション
一週間ほど前、少しだけ時間が出来たので神保町へ寄ってみたときに、三省堂4Fでふと目にとまったディドロ著作集(1)の背文字に目を奪われ手に取った。装丁に目を奪われたのか、背文字に目を奪われたのか定かでは無いのだけれども、気 […]
ジャングルジム
身体論で著名な市川浩の一文に、次のような記述があり目を見張った。(1990年代前半のもの) 文明は機械を発展させた結果、人間を機械に沿わせる形での発展に向かっている。そうではなく、本来的に、人間の思考や行動に機械や道具が […]
蜜柑
2歳になる息子がみかんを見つめて、両手で叩いている。 彼はいつも、何かに触れようと手を伸ばしては、叩いたり、撫でたりする。そして掴んだ瞬間、口に運び、舐める。入るなら、噛む。大きさ・質感・味・温度、そのいずれを確かめてい […]
DJ王安石
読後、心の片隅にずっと残った詩が三年ほど前からあったのだけど、何に載ってたのか思い出せなかった。内容は「風が止み 花はなお落ち 鳥が鳴き 山はいっそう静かになる」という内容。その時感動を覚えたにも関わらず、うかつにもメモ […]
細部としてのオペラ
専門学生の頃、ある日の課題講評の午後、提出された同級生の作品のひとつにに驚くべき色が塗られていた。それは(比喩ではなくて実際に網膜的に)目に焼き付くショッキングな色だった。ピンク色のようでありながらオレンジのようでもあり […]
偉大なるタイポグラファー
2000年の秋、当時ドイツに滞在していた私は、思いがけない縁からタイポグラフィ界の巨匠、Hermann Zapf氏のご自宅を訪問する機会を得ました。これは、そのときの記録です。あのとき感じたことを忘れないよう、書き残して […]